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↑ リュミエール兄(1862-1954)


現代の映画の基本形となるシネマトグラフィ(cinematographe)の発明者である
リュミエール兄弟の兄の方・オーギュストは1862年10月19日9:30、フランスの
Besanconで生まれました。

 兄 Auguste Marie Louis Lumiere (1862-1954)
 弟 Louis Jean Lumiere (1864-1948)

兄弟で写真関係の機材を製造販売する仕事をしていたのですが、1891年にエジ
ソンが発明した現代で言えば「のぞきからくり」のような形式のキネトスコープ
(kinetoscope)に刺激を受けて、兄弟の父Antoineのアイデアに基づきもっと
多くの人で見れる物を作ろうと、1893年にスクリーンに投影する方式の映写機
を制作しました。彼らはこの方式について1895年2月13日に特許を取得。その年
の12月28日世界初の商業映画「La Sortie des usines Lumiere(リュミエール
工場の出口)」をパリのカフェで上映しました。これは自分たちの工場の出口の
ところで通行人や通り過ぎていく自転車・犬などを撮影したもので、3分間程度
の短い映画であったそうです。彼らはこの時他にも同程度の長さの映画を数本
上映してみせたとのこと。当時これを見た人はその生き生きとした映像にまさに
衝撃を受けたといいます。

映画の歴史を紐解きますと、まず最初に注目されるのは1645年にAlthanasius 
Kircherにより発明された幻灯機(magic lantern)です。これを利用して紙芝居
的に物語を上映するという試みはかなり普及していたようです。しかしそれは
あくまで家庭レベルのもので、商業的な幻灯劇場が誕生するのは1794年パリの
Phantamagoriaを待たなければなりません。

1820年にはイギリスのJohn ParisがThaumatrope(ソーマトロープ)を発明します。
これは今でも子供の雑誌の付録にあったりしますが、団扇の表と裏に例えば、
鳥の絵と鳥かごの絵を描いておいて、ぐるぐる回しますと、二つの絵が重なって
鳥かごに入った鳥の絵が見えるというものです。

1832年にJoseph Plateau が考案したPhenakistscope(フェナキストスコープ)が
いわば映画の直接の祖先ということになるかと思います。これは2枚の円盤を
使う物ですが、1本の軸に通した2枚の円盤の一方に絵を描き、他方にはスリッ
トをいれておきます。これで盤を回転させると、動くスリットを通して絵を見る
ことができます。これは近年日本では「おどろき盤」の名前で紹介され、作品が
作られています。

2年後の1834年にはWilliam Hornerが円盤ではなく円筒を使ったZoetrope(ゾート
ロープ)を発明しました。これはスリットの入った円筒状の機械の内側に絵を描き、
それを回転させて中の絵を見るものですが、Phenakistscopeに比べてハンドルで
回せるため慣れていない人でもうまく動画を見せることができるようになってい
ました。

1877年にはこの流れの最高傑作となるPraxinoscope(プラキシノスコープ)がEmile
Reynaud により発明されました。基本的にはZoetropeの方式なのですが、映像は
スリットではなく鏡を使って映し出されるため、スリットを通して見るよりも楽に
動画を見ることができるようになっています。Reynaudは1892年にこの方式を使った
劇場 Theatre Optique をパリに作りました。

一方1878年にEadweard Muybridgeは初めて「撮影する」という技術を開発します。
彼は12台のカメラを時間差で「シャッターを切る」というやり方を考案し、これで
馬が闊歩する様子をフィルムに収めました。

そして1891年にThomas Edisonの助手 W.K.L Dickson はコダック社の35mmロール
フィルムに撮影した動画を見ることができるkinetoscopeを発明します。これが
初めて十数コマという短い動画ではなく、ある程度の長さを持つ物語を上映する
可能性を生み出したのでした。

リュミエール兄弟のcinematographeが画期的であったのは、ひとつは投影方式に
することで多くの人が同時に動画を見ることができるようになったこと。もう
ひとつは、機械がとても小型で(普通の静止画用のカメラとほぼ同サイズだった)、
どこにでも持ち歩けたことです。エジソン達のkinetoscopeは大型で、移動させる
のもなかなか大変であったようです。

なお、リュミエール兄弟にわずかに遅れてアメリカのCharles Francis Jenkins
も同様の投影式の動画映写機 Vitascopeを発明しています。現代の映画の映写機
はどちらかというと、こちらの流れを汲んでいます。


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